急性冠症候群（ACS）の基礎知識
ACSとは？
ポイント
急性冠症候群（ACS：Acute Coronary Syndrome）とは、冠動脈の血管が狭くなったり、詰まったりすることにより、心筋組織※1に十分な血液が供給されなくなることで引き起こされる症候群のことです。
- 急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血※2による心臓突然死が含まれます。
- 心臓を構成する筋肉などの組織。
- 心筋組織に血液が十分に流れなくなること。
ACSに関連する病態について
狭心症
- 動脈硬化などの原因により冠動脈が狭くなると、血液の流れが悪くなり、心筋組織が酸素不足に陥ります。動脈硬化が原因の狭心症は、安定狭心症と不安定狭心症に大別されますが、このうちACSにかかわるのは不安定狭心症です。
安定狭心症
- 運動などで体に負荷がかかったときや精神的な興奮があるときのみ起こる狭心症です。階段を上がったときや、重い物を持ち上げたりしたときに胸が苦しく痛む場合は安定狭心症が疑われます。
不安定狭心症
- 休息中や睡眠時でも発作が起こる、胸痛などの症状が20分以上持続する、発作が起こるたびに症状が悪化するなどの場合は不安定狭心症が疑われます。
急性心筋梗塞
- 冠動脈が詰まることで、その血管が栄養を送っている心筋組織がエネルギー不足に陥り、壊死※3が生じた状態を指します。激しい胸痛や、冷や汗、めまいなどが典型的な症状です。
- ※3 組織の一部が死んでしまうこと。
虚血による心臓突然死
- 心臓のポンプ機能が低下し、うまく血液を全身へ送り出せなくなることで突然死に至る危険性があります。
